人気作家、田口○ディさんの講演にいってきました。
以下、呼びかけ文

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講演 「呼応する心と身体」

心と身体はつながっている。

すでに聞きなれた言葉ですが、頭では理解していても現実に自分の心と身体が呼応していることを気づくのは難しいことです。

身体が出す小さなサインはほとんど意識されませんし、ほんのわずかな感情の揺らぎが言語化されることはありません。

意識の周辺に追いやられて忘れられてしまいます。
人間は自分にとって不都合なことは無視しがちです。
そのほうが効率的に生きられるからです。 

朝起きて、顏を洗い、会社に行くまでの道順をほとんど無意識にロボット化して行動しており、ほんのわずかなシグナルに意識を集中するのは困難なことです。
心と身体はつながっていても、そこに集中することができなければ、なにも気づきません。
呼応する心と身体に集中して、無意識からのサインを読み取るすべを少数民族のシャーマンたちの智恵からいっしょに考えてみましょう。

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会場には少し遅れて入ったのですが、ステージでしゃべってるのが田口さんだとは知らず、前説の主催者のおばさんだと思いこんでました。

著書などから抱いていたイメージとは、やっぱり違ってましたわぁ(>_<)

講演については、あまり憶えてないのですが、いくつか。

「唯一無二の自分」と「取るに足らない自分」

この二極を人は揺れ続けるのだ、というお話があった。ほんとうは同時にその両方なんだが、それが全く難しいとも。なんか勝手に、真宗的に解釈して、うーんと唸りました。

田口さんは、さすが作家だから、時代にあった言葉を選んで語る。また既存の言葉がすでに先入観やイメージで汚染されている場合、その言葉をあえて言い換えるといっていた。たとえば「スピリチュアル」って言葉とか。


僕もいつも思うのだけど、例えば父の世代や同業者の先輩方に「ワークショップなどに参加して心理学などを学んでいる」といっても、まったく理解してもらえない。

好ましくないイメージがあるようだ。

また、ワークショップやセミナーで出会う方や、またはいわゆる知識人と言われる人に「仏教」「真宗」といっても、まったく思ってもみない解釈が返ってくる。そしてそれに疑いをもっていないことにも驚く。

誰もが知っている言葉は、かえって混乱を招くことが多い。だから哲学者や神学者は言葉を厳密に定義したり、単語を新たに作ったりして、苦労していたのだろうけど。。。


あ、話がそれた。


で、田口さんの話。シャーマンを求めて旅をして、メキシコでマジックマッシュルームを食べた時のサイケな体験談があった。

奇遇にも、同様の経験が僕にもある。もちろんその時は薬物は摂取していない。突然そんな次元に放り込まれるのだ(襲われるでも可)。田口さんと同様の、「きれいはきたいない・きたないはきれい」って体験は、自分の認識の世界を揺るがすに充分な衝撃がある。

でも、この手の話はあぶないと思う。

自己の観ているもの、知っているものが、いかに構成され、洗脳されたまがい物であるか、ということを経験するには、こういうショック療法もいいかもしれないが、大抵は、もっと知らない世界を知りたい、もっと奥へ進みたい、もっと、もっとと、夢の世界へのめり込んでいくだろう。(ミイラ取りがミイラになるってやつ)

そういった体験を重ねて、「唯一無二の自分」という自己の特別性をエゴが強化する、というストーリーはスピリチュアル世界ではお馴染みのコースだもん。

また、意識の別次元を垣間見ることで、今まで馴染んできた世界が、まったく馬鹿らしく思えて、日常生活を低次に見たり、社会のあり方に関心がなくなったりもするだろう。

「取るに足らない自分」は、世間や合意された現実を生きる他者に投影され、そうやって「唯一無二の自分」を全体から切り取って特別視する。(したがって孤立する)

おしなべて、そういうやり方は、方向違いを促進し、自我肥大や現実逃避を強化する危険が待っている。

まぁ、シャーマンなんて、その辺にはいないし、ちゃんと導いてくれる師もなしに、憧れだけでその道をかじるのは、やっぱりお勧めできない。(もちろん選択は自由だぁ〜!、けど)

田口さんだって、初めてシャーマンを訪ねた時、一言「あなたは何を求めてここに来たのか」と問われて、真っ白になり何も答えられず、何も聴けずに引き返すことになったという。

シャーマンって魅力的だわ。

でも、シャーマンなんて世界を現代人は散々バカにして(畏れて)きたんだろうし、合理的な思考のみを信じて疑わない薄っぺらい世界観を信奉している人々に、「豊かで幸せな人生って何?」と語りかけるには、とても面白く、興味深いお話ではなかったかな。

何より田口さんは、自分で考え、自分の言葉で語る方だから、そいうモデルを見ることで、すでに聴衆に影響を及ぼしているのかもね。


ところで、あの会場。最初ものすごーい邪気を感じたのは気のせいか?みんなすごーく悩んでいる人がいっぱーいだった、みたい。

最後、いろいろ聴衆から質問があったけど、田口さん。
「自分で考えましょうね〜」とは、とても親切な回答だったなぁ^^