17e04fc4.jpgとても刺激的な時間だった。それは京都国立近代美術館でのこと。そのアーティストは草間弥生。テーマは『永遠の現在』

脳味噌をストローで吸われたような感覚。浮遊感。存在。反復。連鎖。増殖。虚無。無限…
圧倒された。人間の凄まじい執念と気概を感じた。完全にイカれてる。そして完全にイカしてる。

草間弥生は幼い頃から物体の周りにオーラが見えたり、植物や動物の話すことばが聞こえたりといった幻覚や幻聴にしばしば悩まされてきたという。その恐怖や恐れを鎮めるために、その「得体の知れない、魂の背後に見え隠れする不気味なもの」を絵することに没頭していったという。

一緒に行った友人は、「無限の梯子」をみて笑い転げていた。「ミエル、ミエル」と嬉しそうに。そんな彼の姿をオブジェ越しに眺めながら、僕の身体は何処か彼方に置き忘れて来たような気がした。「ミエル、ミエル」がミエル…

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